書評【ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら】眞邊明人さん著/ネタバレ感想・あらすじ・最強内閣への評価は?

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口コミで「面白い!」という評価が広まり、発売2ヶ月半で5万部を突破し、現在8万部突破の話題ビジネス小説『もしも徳川家康が総理大臣になったら』を読みました。率直な感想は、「素晴らしい!面白い!!全日本人が読むべき!」。過去の偉人がAIで現代に復活するという設定なので、ファンタジー歴史小説やSF小説なのかと思いきや、わかりやすく歴史や今昔の政策知識が学べるエンタメ教養書でした。ネタバレ感ありの感想レビューログです。

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全員英雄 最強内閣 組織図

2020年、新型コロナウイルスの初期対応を誤り、あろうことか首相官邸でクラスターが発生し、総理大臣がコロナに感染し死亡した。政府与党は日本最大の緊急事態に、密かに画策していたAIとホログラム技術で復活させた歴史上の偉人による最強内閣を作った。

総理大臣・徳川家康
官房長官・坂本龍馬
経済産業大臣・織田信長
経済産業副大臣・大久保利通
財務大臣・豊臣秀吉
財務副大臣・石田三成
厚生労働大臣・徳川綱吉
厚生労働副大臣・緒方洪庵
農林水産大臣・徳川吉宗
外務大臣・足利義満
総務大臣・北条政子
法務大臣・藤原頼長
法務副大臣・江藤新平
防衛大臣・北条時宗
文部科学大臣・菅原道真
文部科学副大臣・福澤諭吉
IT担当大臣・平賀源内
領土問題担当大臣・楠木正成

平安・鎌倉・戦国・江戸・幕末・明治、あらゆる時代の歴史上の偉人のオールスターメンバーで組織されています。

足利義満って誰だっけ?と歴史に詳しくなくても、注釈が入れられているので、わかりやすく読み進めながら、歴史や政治に理解を深められます。

世界で新型コロナウイルス感染症が大流行している2020年。社会をパンデミックから守るために、多くの国が、一時的に国民の外出や経済活動に制限をかけた。世界中の国が同時に、このように成長を止めた事例は、世界史上初めてのこと。しかし、日本においては420年前に一度だけ、国の成長を意図的に止めた人物がいた。

それが、徳川家康である。

家康は意図的に当時の”領土を拡大して成長する”ことを止めた、世界でも稀に見る異質なリーダーであった。結果、江戸時代は265年間も続く、太平の時代になった。

『居並ぶ閣僚たちは、この日、初めて顔をあわせた。それぞれ違う時代からやってきているため、お互い、どう向き合ってよいか、まだ探りあうような雰囲気である』皮肉にもその江戸幕府を終わらせた、坂本龍馬が総理大臣の補佐役である官房長官に選ばれました。

ストーリー あらすじ

この物語は、徳川家康率いる最強内閣が、”コロナという予測不能な事態を収束させ、地に堕ちた政府の信頼を取り戻す”をミッションに掲げ、家康を「アンドロイドなどと交渉しない」と罵っていたアメリカ大統領から、最終的に日米首脳会談後の共同会見で称賛を受けるまでを描いた物語。

第一部『最強内閣、始動。』では、

・日本初のロックダウン
・龍馬と秀吉の記者会見
・全国民に50万円給付金を10日で配る
・リモート国会と歌舞伎町再編計画
・リモート万博
など、偉人たちの決断力と実行力により次々と政策が実施されていきます。

そして、ある一つのツイートから発した事件に対しての総務大臣 北条政子の演説もとても印象的でした。
「言葉は、100万の軍勢にも勝る力を持つこともあります。」「人を面白半分に殺めるような残忍な心を持ってはなりませぬ」「私たちの過ちの上に成り立つこの時代の皆が、また愚かな過ちを犯すことを私は座して見ることができませぬ」「戦うのです。おのれの醜い心と」

「死んだ者には、富も名誉も関係ない」政子の言葉は、徳川内閣であれば政治に不正や腐敗が起こるはずないと信じ込ませ、最初は半信半疑だった国民も次第に最強内閣に絶大なる信頼を寄せていきます。

第二部『この国のリーダーに相応しいのは誰だ。』では、さらに事件が起こります。
そもそも、このAIプログラムを作ったのは誰だ?という疑問から、AI誕生に隠された陰謀を解く怒涛の展開になっていきます。

面白い!ネタバレ感想

日本の歴史好きの方には最高傑作なのではないでしょうか? 私のように織田信長の「楽市楽座」って何だっけ?教科書に出てきたような・・・程度のうろ覚えでも、その都度注釈を確認しながら、「家康は、幼少時代に人質になっていた経験があるのね」など、知識を深めながら読み進められました。

歴史の他にも政治の専門用語もよく出てきますが、政治に詳しくなくても大丈夫です。現状の政府のコロナ対策には不満や疑問があるので、徳川最強内閣が、コロナ禍の日本を救うべく政策を実現していく様子は感嘆です。こんな政府が本当にできたら・・・と思わずにはいられません。

実際に実現できるのではないかと思えるくらい現実的な内容で、逆になぜ今、できていないのか?と考えると 、

最後、日米首脳会談後の共同会見での家康の「この時代は豊かではあるが腐っておる」「わしらがここに呼び出される原因になった流行り病など、我らの頃はもっと悲惨なものであった。」「流行り病よりも恐ろしい富を求める成長という病」という言葉が胸に突き刺さります。

そして、坂本官房長官が言った「一人ひとりがこの世に関わっている」今、現実を生きている私たちは、一人一人が未来のために何ができるかを本当に根底から考えるべきなんだと真剣になりました。

歴史を、時代を変えた過去の人物たちが、
日本の未来のために、
社会を変え、
組織を変え、
自分をも変えようと奔走した物語である。

この世に生きる者は等しく愚かである。愚かであるからこそ、進むのだ。

絶対読んで!と真面目におすすめしたい1冊ですが、これ、ドラマ化や映画化しても楽しめる最高の教養エンタメ小説だと思いました。

ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら 書籍情報

ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら
作者: 眞邊明人
出版社: サンマーク出版
発売日: 2021年3月16日〜発売中
ISBN: 9784763138804
定価:1650円(税込)
頁数:435ページ

試し読み→→→https://ddnavi.com/serial/tokugawasori/

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