映画【Fukushima50(フクシマフィフティ)】評価感想レビューログ★ 主演佐藤浩市・渡辺謙 3.11東日本大震災福島第1原発事故を描く実話の物語

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試写会で2020年3月6日公開予定の「Fukushima50(フクシマフィフティ)」を観ました。東日本大震災が発生し起こった想定外の大津波、福島第一原発を襲う史上最大の危機。映画を観ている間、現場の緊迫感がリアルに伝わり胸が締め付けられ、息をするのを忘れるほどでした。映画のあらすじ、感想とレビューをまとめました。

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原作本 門田隆将著「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」

「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」は、事故当時、福島第一原子力発電所所長であった吉田昌郎氏へのインタビューを中心に、総理大臣、原子力安全委員会委員長、東電関係者、自衛隊、発電所作業員、地元住民など90名以上の証言をもとに記した福島第一原子力発電所の大事故をめぐるノンフィクション。(2012年11月22日発売)

「Fukushima50(フクシマフィフティ)」は、東日本大震災の巨大な津波が福島第一原子力発電所を襲った史上最大の危機に、原発内に残り戦い続けた作業員達の知られざるドラマを実写映画化したものです。

フクシマ50 キャスト

【中央制御室】
伊崎利夫(佐藤浩市):第一原発1・2号機当直長
前田拓実(吉岡秀隆):福島第一原発5・6号機当直長
大森久夫(火野正平):福島第一原発管理グループ当直長
平山茂(平田満):福島第一原発第2班当直長
井川和夫(萩原聖人):第2班当直副長

 

【緊急時対策室】
吉田昌郎(渡辺謙):福島第一原発所長
野尻庄一(緒形直人):福島第一原発発電班長
浅野真理(安田成美):緊急対策室の総務班職員
福原和彦(田口トモロヲ):ユニット所長
樋口伸行(皆川猿時):保全部部長
望月学(天野義久):復旧班注水チーム

【伊崎家】
伊崎遥香(伊崎利夫の娘):吉岡里帆
伊崎智子(伊崎利夫の妻):富田靖子
伊崎敬造(伊崎利夫の父):津嘉山正種

【避難住民】
松永:泉谷しげる
前田かな(中村ゆり):前田拓実の妻

【官邸】
総理大臣(佐野史郎)
内閣官房長官(金田明夫)
原子力安全委員会委員長(小市慢太郎)

【東電本店】
竹丸吾郎(段田安則):東都電力フェロー
小野寺秀樹(篠井英介):東都電力常務
社長(堀内正美)

【マスコミ】
福島民友新聞記者(ダンカン)

【自衛隊】
辺見秀雄(前川泰之):陸上自衛隊陸曹長

【米軍】
ジョニー(ダニエル・カール):在日アメリカ軍将校

“Fukushima50”日本映画史上初!米軍が「トモダチ作戦」撮影協力

劇中にて、当時実施された米軍の被災地支援策「トモダチ作戦」を再現するため米軍所有ヘリや米兵らが撮影に参加した。米軍の他にも、総理大臣が福島第1原発を緊急訪問するシーンで皇室や総理大臣など国内外要人の移動に使われる輸送ヘリ“スーパーピューマ”が登場し、リアリティーが追求された。日本映画に米軍が撮影協力したのは史上初。アメリカ大使館、アメリカ側安全保障チームなどの異例の撮影許可が下りた。

“Fukushima50”フクシマ50(フクシマフィフティ)の意味は

東日本大震災発生直後、福島第一原子力発電所の内部に留まり対応し続けていた作業員達。原発事故が発生した後も現場に残り、戦い続けた約50名の作業員達を世界のメディアは、彼らをヒーローと紹介し、“Fukushima 50”と呼び、各国のメディアは、現場に残った従業員たちの勇気を讃えた。

「原発内で、顔も名前もわからない50人の作業員“Fukushima 50”が戦っている。彼らが最後の砦だ。(アメリカTheNewYorkTimes)」

「彼らは言った。『これが自分たちの仕事だ』(アメリカCBS NEWS)」

「他の原子力発電所に従事する者たちは、他の多くの人々と同様に、強い賞賛をもって見ていることしかできない(イギリス ガーディアン紙)」

「日本の顔が知れない英雄たち(フランス国際ニュース・チャンネルFrance24)」

この時、現場に残った人間は、実際には「69人」いた。

見る前に知っておきたい用語解説

イチエフ:福島第一原子力発電所の略称
中央制御室(中操):原子炉建屋内で運転を行うエリア
緊急時対策室(緊対):非常時に司令部となる原発内の施設
スクラム:原子炉の緊急停止
SBO(Station Black Out):全交流電源喪失
原災法十条:原子力災害対策特別措置法第十条
メルトダウン:炉心融解
ベント:原子炉格納容器の圧力を下げるため、弁を開け容器内の気体の一部を放出する作業

あらすじ・ストーリー

2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0、最大震度7という日本の観測史上最大となる東日本大震災が発生した。巨大地震が引き起こした想定外の大津波が、福島第一原子力発電所に襲いかかる。

津波に襲われたイチエフ(福島第一原子力発電所)では、非常電源設備を含む全ての電源が喪失。原子炉の冷却ができなくなりメルトダウンの危機が迫る。

外部と遮断され何の情報もない中、第一原発1・2号機当直長の伊崎利夫(佐藤浩市)ら、現場作業員は、原発内に残りメルトダウンと水素爆発を防ぐために原子炉の制御に奔走する。

現場の指揮を執る所長の吉田昌郎(渡辺謙)は、部下達を鼓舞しながらも、状況を把握しきれていない東電本店や官邸からの指示に「そんなことも決められねえのか本店は!現場の人間、体張ってんだよ!」と怒りをあらわにする。


放射線量が増加する中、暴走する原子炉。それは現場にいた人たちにとって、まさに「死の淵」。消防ポンプによる水の注入をおこない、奮闘するも事態は悪化の一途をたどり、近隣の人々は避難を余儀なくされてしまう。

避難所でニュースを見つめ、祈り待ち続ける彼らの家族、福島を思う地元メディア、自衛隊、“トモダチ作戦”を実施するアメリカ軍。

官邸は、最悪の場合、被害範囲は東京を含む半径250㎞、その対象人口は5,000万人と試算。

残された方法は“ベント”。世界でも実施されたことのないこの手段は、作業員達が体一つで放射能汚染された原子炉建屋に突入し、手動で弁を開けようという作業。

原子炉の冷却ができず原子炉格納容器の圧力が上昇し、翌12日に水素爆発が発生、大量の放射性物質が大気中に放出されてしまう。

事故発生以降も現場にとどまった約50名の作業員たちが、家族や故郷を守るため未曽有の危機に現場で最後まで奮闘した真実の物語を描く。

ラストシーン

福島県浜通り、双葉郡の中心にある富岡町。東京電力福島第二原子力発電所があり、いまだに帰宅困難区域でもある。ほかのシーンを全て撮り終えた1カ月後に「本物の桜で撮りたい」とこの場面だけ撮影したそう。

美しく咲き誇る桜並木。食道癌を患い亡くなった吉田からの手紙を、伊崎が読み物思いにふける。

事故の時に「俺たちは何か間違ったのか?」と伊崎と吉田がトイレで話す場面があった。吉田の手紙には「何を間違えたのか、わかった気がする」「自然をナメてた。支配した気になって慢心していた」と書かれているのだが、その答えが私の胸にも突き刺さった。

廃炉作業が50年続くと言われる中、2020年東京オリンピックが復興五輪と位置付けられ開催されるが、五輪聖火リレーはここ福島からスタートする。

この映画は、現実に起こった大震災・巨大津波・原発事故を忠実に描いた作品だ。ハッピーエンドの感動物語ではない。極限状態での人間ドラマであり、現在も福島第1原発では毎日数千人が働き、廃炉に向けて懸命に闘っている。復興は、まだまだ続いているのだ。

評価・感想・レビュー

2011年3月11日、突然襲う大きな揺れ、恐怖、迫り来る大津波、不安、一気にあの日、あの時の記憶がよみがえり、緊迫した緊張感の中で映画を観つづけました。

映画はセットも含め、時系列に沿って撮影されたそうで、次々と起こる出来事は全て現実で、混乱、暗闇、苛立ち、疲れもリアルに感じ、息が詰まる思いでした。

当時、ニュースで断片的に知った情報のリアルを観ました。あの時、「現場」にいた人々が電源が落ちた暗闇の中で何を思ったのか? 死を目前に感じつつ、極限状態において闘っていた人達がいた事実を、あの時の私は知りませんでした。

この地震・津波による被害は甚大で、東北地方の太平洋沿岸部を中心に壊滅状態となった集落や自治体もありました。この映画は、否応なしに経験したそれぞれの3.11と結びつき、あの時の恐怖や痛みを思い出させてしまうでしょう。

それでも、全ての日本の人たちに「観るべきだ」と言いたい映画です。

顔も名前もわからない現場の民間人が、最前線で史上最大の危機に立ち向かってくれていなければ、私たちの「今」はなかった。

我々、人間は自然や災害にどう向き合うべきなのか、この映画では未来に向けて再び警鐘を鳴らされているのだと思います。

映画作品紹介 2020年3月6日公開

公開日:2020年3月6日
上映時間:122分
原作:門田隆将
監督:若松節朗
脚本:前川洋一

 

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