弘前市土手町の弘前パークホテルの2階に2022年にオープンした「津軽そば たかお香」で幻の蕎麦と言われる津軽そばを食べました。たかお香の実食レポートと、なぜ幻のそばと言われるのか?津軽そばの特徴などを調べました。
幻の津軽そば とは
津軽そばとは、弘前市を中心とした津軽地方で、江戸時代に生まれたご当地蕎麦です。
津軽そばは、そば粉とお湯を混ぜ、まず「そばがき」を作り一晩寝かせます。そこに、そば粉と大豆を粉砕した大豆粉をつなぎとして混ぜて練り上げます。これをさらに一晩寝かせてから茹で、茹で上げた麺をまた一晩寝かせてつくる津軽に伝わるあったかいおそばです。
作り方の工程が非常に手間がかかるため、「幻のそば」とも言われているのだとか。
蕎麦といえば、挽きたて、打ちたて、茹でたてがおいしいと言われる食べ物なので、大豆をつなぎとし、何度も寝かせて作る蕎麦は珍しいですよね。
津軽そばの歴史
津軽そばの歴史は、江戸時代に米は年貢米で納めるため、庶民は普段からそばを食べる機会が多く、そばだけでは栄養がかたよってしまうことから、津軽地方では大豆を使う独特の製法が、庶民から生まれたのだと言われています。
日持ちを良くするために麺をゆでて冷やすという工夫を加えたことで、コシがない独特のそばが完成しました。
津軽蕎麦は作るのに手間ひまがかかりすぎるため、戦後、食生活が豊かになった頃から作られなくなり、取扱う店も減ってしまいました。平成9年、老舗の日本料理店『野の庵(ののあん)』を中心に「幻の津軽そば研究会」が結成され、文献や旧家に伝わるレシピや製法を調査し、昔ながらの「津軽そば」を現代に復活させたという経緯があるそうです。
津軽そば の特徴
見た目や香りは一般的な蕎麦のようですが、全く違うのが食感。箸で持ち上げようとすると、すぐに蕎麦がプツプツと切れてしまうのが特徴です。
そして、麺に合わせるダシも一般の蕎麦とは異なり、青森で広く使われている、焼き干しを使います。焼き干しとは、煮干しと同じ小さなイワシを焼いて干したもので、非常にコクがあります。
汁物をすするように食べるのが、津軽そばの食べ方です。ザルで食する事はほとんどありません。
津軽そば 実食レポート
たかお香の麺は、独自の配合で地元の老舗製麺所で製麺したもの。そばの実の芯だけで挽いた一番粉と梵珠山系の天然地下水を用い、昔ながらの製法を守り続けている伝統の麺です。
つゆは自家製のかえしと鰹・煮干し・鶏ガラを調合したこだわりの出汁です。
柔らかくて繊細な麺は、蕎麦の風味とほのかに大豆の甘味を感じる素朴で優しい味わい。つゆも深みがあって美味しく、飲み干してしまいました。
そばというより、温かい素麺を食べているような感覚でした。
津軽そば たかお香 メニュー
- もりそば 500円
- かけそば 500円
- 月見そば 550円
- なめこおろしそば 700円
- とろろそば 700円
- にしんそば 800円
- かもそば 800円
追加メニュー
- 生たまご 50円
- あぶり海苔 150円
- にしん 300円
- かも 300円
- ごはん 150円
- 炊き込みご飯 200円
ドリンクメニュー
- 瓶ビール 600円
- 日本酒(小瓶) 500円
- ウーロン茶 350円
- りんごジュース 350円
※価格は全て税込です
津軽そば たかお香 場所・アクセス・住所
[住所] 青森県弘前市土手町126 弘前パークホテル 2F
[電話番号]0172-31-0089
[営業時間] 昼11:30〜14:30(LO14:00)
夜17:00〜21:00(LO20:30)