りんご公園内にある市指定有形文化財「旧小山内家住宅」を見学しました。タイミングよく「津軽昔語り」にも参加することができました。ねぷた絵師三浦呑龍氏の見送り襖絵も感動しました。
青森県【弘前市りんご公園】観光おすすめ見どころ・案内マップ・イベント
旧小山内家住宅の読み方
「旧小山内家住宅」は「きゅうおさないけじゅうたく」と読みます。小山内さんのお家ってことですね。
今から約150年以上前の文久3(1863)年に弘前市高杉字五反田に建てられたりんご豪農 小山内佐治兵衛の住居です。小山内家は西津軽郡に知行地を持っていた家柄で、昭和56年に15代当主・小山内哲彦氏から寄贈され弘前市りんご公園に移築保存されました。
弘前市りんご公園 すり鉢山展望台
茅葺屋根のお家が特徴的
旧小山内家住宅という名前らしい20241108 pic.twitter.com/fO4LyMWQVY
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茅葺屋根の木造住宅は、藩政時代末期から戦前まで津軽地方にあった農家住宅の形態をよく表していて、非常に貴重なものなのだそうです。
農家住宅が解体されほとんど残らない中で保存する意義が大きいと平成13(1938)年11月9日、弘前市指定有形文化財に指定されています。
旧小山内家住宅建物内の様子
建物内では建物の解説や古農機具の展示がされています。住宅の模型もあり、建物全体の様子がわかりやすいです。農家住宅の典型的な間取りを持ち、木造一部二階建てで、床面積は約80坪。東西側と南面側に下屋付、外壁は真壁造、土壁仕上げ、腰壁は縦板張り。農民の家で二階建ては禁止されていたらしく、外から見た時には2階があることがわからないように造られていると、津軽語り部の会の方が教えてくれました。二階にある6畳間は主に若夫婦が使用していたそうです。
玄関は式台が付いていて身分の高い者が利用している造りだそうです。玄関から座敷に直結していて、奥座敷には床の間が備えられていました。
豪華とは違いますがとても立派と思いました。
囲炉裏がある居間は常に人が居るため「常居(じょい)」と呼ばれていたのだそうです。馬4頭分の「まや」、作業場の「とろじ」、使用人の部屋の「まげ」があり、当時のりんご栽培についてのパネルや古い農機具などを展示しています。
津軽昔語り
旧小山内家住宅では、4~11月の毎週土曜・日曜・祝日に、津軽に古くから伝わる民話を方言でお話しする「津軽昔語り」が行われています。
語り部の会メンバーが語る当時のエピソードは笑いあり、ちょっとほろっとするようなエピソードありで、お話しを聞けてとてもよかった!と思えたのでおすすめ! 民謡や津軽弁を教えてもらえて楽しかったです。
開催日:4月~11月 土日祝
時間:1回目 11:30~12:00 / 2回目 13:00~13:30
場所:旧小山内家住宅(弘前市りんご公園内)
料金:無料
ねぷた絵師 三浦呑龍氏の弘前ねぷた見送り襖(ふすま)絵
素晴らしく感動したのが、襖絵の美人画です。これは、2021年にねぷた絵師で6代目津軽錦絵作家協会会長の三浦呑龍さんが旧小山内家住宅内で完成までの過程も含めて公開制作していたものだそうです。
引き続き展示されているのですが、墨彩で描かれた絵が古民家の雰囲気を引き立てていました。
実際に運行したねぷたに使われた見送り下絵を元に描かれている作品なのだそうです。
「見送り絵」とは、ねぷた本体裏面中央部に描かれた絵のことで、戦いを見送る女性の姿であるとか、ねぷたの魔よけとして美人画(女性の幽霊や生首なども含め)が主に描かれているのだそうです。
ねぷた本体正面の絵は「鏡絵」というのだそうですが、中国の三国志や水滸伝、日本の武将や説話の奮戦図などが題材として多く用いられているので、ねぷたは荒々しくて怖い印象だったのですが、裏にはこうした見送り絵が描かれていると知り、ねぷたの印象が変わりました。
こちらも一見の価値ありですよ!
旧小山内家住宅の場所・営業時間・料金
住所 青森県弘前市清水富田字寺沢125 地図
営業/休業 無休
営業時間 9:00~17:00
料金 無料