【神居古潭(カムイコタン)】ゴールデンカムイに登場のアイヌの聖地に行ってみた!旧神居古潭駅舎や蒸気機関車も必見[北海道旭川市・旭川八景]

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北海道では、「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が開業し、改めてアイヌ文化への興味、関心が高まっているように感じます。このブログでは、北海道最強のパワースポットとも言われているアイヌの聖地「神居古潭(カムイコタン)」に行ってみたレポートと、アイヌの伝説についてや、神居古潭訪問の際に知っておくと役立つことを紹介しています。

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旭川八景・聖地巡礼『神居古潭(カムイコタン)』

北海道旭川市を代表する「旭川八景」の一つに選定されている神居古潭(カムイコタン)は、アイヌが神聖な場所として「神の住む場所」と呼びました。アイヌ語で、カムイは神、コタンは集落という意味です。

この場所には、「竪穴式住居跡(たてあなじゅうきょいせき)」や「縄文時代のストーンサークル」などの遺跡もあるので、アイヌ民族が住み始める以前の縄文時代から、重要な地域であったのでしょう。

険しい山を貫いて川が流れる峡谷は、かつては人やものを運ぶ重要な役目を果たしていましたが、現在では、上川盆地(旭川市)と空知平野(深川市)を結ぶ石狩川沿いの景勝地となっています。

そんな神居古潭(カムイコタン)は、人気マンガ「ゴールデンカムイ」の重要なシーンに登場したこともあり、ゴールデンカムイのファンが、ゆかりの場所を巡る「聖地巡礼」では、必ず訪れたい場所として、またTV番組「ブラタモリ」や「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」でも神居古潭を訪れたことから、全国的な人気や知名度が一気に急上昇しているスポット。

また、明治期の貴重な駅舎建築である「旧神居古潭駅舎」や蒸気機関車が3台展示されているので、鉄道ファンにもオススメしたいスポットです。

パワースポット神居古潭(カムイコタン)の伝説

神居古潭周辺は、石狩川有数の急流地。急に川幅が狭くなり川の流れが激しくなっています。水深も深く、最も深い場所では最大で70mにも達するそうです。当時、移動に舟でこの川を使っていたアイヌ人にとっては最大の難所であり、水難事故が多発したため、アイヌ人は峡谷に住むニッネカムイ (悪い神という意味) の仕業だと怖れました。

魔神ニッネカムイは川に岩を投げ込みアイヌの人々を苦しめていました。山の神のクマが岩を取り除き川の流れを元に戻したところ、ニッネカムイが怒って襲いかかり、そこに善神であるサマイクルが駆けつけ戦いが起こり、ニッネカムイは山の神ヌプリカムイと英雄神サマイクルに倒されます。

そして、ニッネカムイが逃げようとし時に踏み抜いた跡「ニッネカムイ・オラオシマイ」と名付けられた岩もあり、サマイクルが斬りつけた跡の「エムシケシ」など、この戦いによってカムイコタンの激しい地形が作られたとされてます。

アイヌ民族にとっては、大地も水も火も動物も植物も全てが神を宿す存在。両岸から奇岩怪石が迫るこの激流の川は、「無事に通れますように」と神(カムイ)に祈りを捧げずにはいられない重要なという場所だったのでしょう。神居古潭の伝説を思いながら訪れることによって、自然の景色がさらに雄大に感じられます。

他にも、アイヌの伝承にあるコロポックルが住んでいたという伝説や、アイヌの一族が、砂金を和人から守るために、とある沢に隠したという話もあるとか・・・・ゴールデンカムイのマンガを思い出しますね。

漫画『ゴールデンカムイ』に登場の吊り橋「神居大橋」

ゴールデンカムイは、明治末期の北海道が舞台となり、アイヌ民族の少女や日露戦争の帰還兵が、網走監獄の死刑囚が隠した金塊を探すストーリー。旧陸軍第七師団司令部や大雪山、神居古潭も漫画に登場します。

漫画10巻第92、93話には神居古潭のつり橋「神居大橋」が登場。第七師団に捕らえられた脱獄王・白石が旭川に連行されるのを救出するため、土方歳三が吊橋を斬って白石を川に落とし、キロランケが木舟で助けようとするシーンの舞台となったのがこの神居古潭。

アニメゴールデンカムイ公式サイト

ゴールデンカムイに登場する当時の神居大橋では、一度に渡れる人数は10名までとなっていましたが、現在の吊橋は頑丈になり、100人まで大丈夫になりました。

橋から見える景色も壮大です。橋を渡った先では、旧国鉄の神居古潭駅の駅舎や、3両の蒸気機関車、

大正時代を代表する歌人・九条武子の歌碑などを見る事ができます。

旧神居古潭駅舎とSL展示とサイクリングロード

神居古潭のもうひとつのおすすめスポットが、旧神居古潭駅舎です。旧神居古潭駅舎は、明治31年に開通し函館本線が走っていた場所ですが、昭和44年9月30日に廃駅となりました。

この駅舎は明治43年に建設されたもので、明治時代の貴重な駅舎建築物ということで平成元年に復元され、平成3年には旭川市指定文化財に認定されました。

周辺には、駅の一部も残っており、当時の雰囲気を垣間見ることもできます。漫画には登場しませんがが、神居古潭駅は1901年(明治34年)〜1969年(昭和44年)まで運行されていたので、日露戦争(明治37~38年)後のゴールデンカムイの時代も感じることができますね。

線路は、現在サイクリングロードとして整備されていま。当時使用されていたトンネルも残されているそうです。

駅舎は、休憩所として開放され利用できます。神居古潭の文化財や伝説などを説明した展示物などがあります。

旧神居古潭駅舎の反対側には、蒸気機関車が三重連で展示されていました。


29638蒸気機関車「キュウロク」・D51 6蒸気機関車「デゴイチ」・C57 201蒸気機関車「貴婦人」の3台が並ぶ風景は、鉄道ファンではなくとも圧巻でした。

神居古潭のハイキングコース

サイクリングロードとはまた別に神居古潭にはハイキングコースがあり、「神居岩」という大きな岩を観ることができます。なかなか本格的で歩きごたえのあるコースのようです。

今回の神居古潭訪問は、別の目的地に行く途中で立ち寄っただけなので、何の準備も知識もなく雰囲気だけを楽しんできたのですが、蛇も普通にいる自然の中に、旭川市有形文化財(神居古潭駅)、蒸気機関車、歌碑、さらに周辺には、竪穴式住居跡、縄文時代のストーンサークルなどの遺跡もあるので、想像以上に盛り沢山のスポットでした。

神居古潭は観光地化してはいないので、駐車場近くに小さな商店とトイレがありましたが、ハイキングコースなどを散策する場合は、服装や飲み物などの準備を万端にしていくことをおすすめします。

紅葉シーズンには、大自然のだからこその素晴らしい景色が堪能できそうでしたよ。

こたんまつり※2020年度は中止

神居古潭では、毎年秋分の日に「こたんまつり」が開催されます。こたん祭りでは、アイヌ民族の伝統儀式「カムイノミイナウ式」や古式舞踊の披露、ムックリを制作するアイヌ文化体験コーナーなど、アイヌの文化に触れられる絶好の機会となるそうです。

また、地元の農産物や限定スイーツの販売、旧神居古潭駅舎での鉄道グッズの販売など、神居古潭の魅力や特産物がPRされる盛りだくさんのイベントのようです。

開催地:旧神居古潭駅舎とその周辺

日時:秋分の日(10:00~15:30)※2020年度は中止となりました。

お問合せ(こたんまつり実行委員会・旭川市観光課内)

次回、訪ねることがあればぜひこたんまつりの時に足を運んでみたいです。

神居古潭の特産品は石?名物しそジュース?!

神居古潭変成岩帯は、北海道が形成された時に、北海道の西側半分と東側半分がここで衝突し、つながったことを示すものとして地質学上、世界的にも貴重なもので、2007年に「神居古潭渓谷の変成岩」が日本の地質百選に選定されています。

約一億数千万前に生成された様々な変成岩類が露出し、地球活動の痕跡が特徴的に表れているジオサイトとして、岩石研究者の間では、よく知られた場所だそうです。

海底火山の噴火により、蛇紋岩などが混在する変成岩は、茶室や居間に飾る水石として重宝され、「水石の貴公子」と呼ばれ幻の銘石として、神居古潭石は、高値で取引されていた事があるそうです。

ゴールデンカムイの聖地巡礼の場としてよりも、アイヌ伝説の聖地としてよりも、地球活動の壮大な歴史を感じて圧倒されました。

それはさておき、神居大橋たもとに1軒だけあった雑貨商店「南山商店」にも立ち寄りましたが、

1杯100円の「紫蘇 古潭そだち」のジュースが、甘過ぎず美味しくて、さっぱりしました。

「名物」のようなので、神居古潭に訪れた方は、ぜひしそジュースもおすすめします。

神居古潭(カムイコタン)行き方・場所・アクセス・地図

住所:〒078-0185 北海道旭川市神居町神居古潭
神居古潭(カムイコタン)があるのは旭川市内中心部から車で約30分ほどの場所です。

●車で行く場合には、
札幌市内から約1時間30分(道央自動車道・深川IC利用)
JR旭川駅から車で約40分
旭川空港から車で約50分
旭川動物園から車で約50分
※駐車場あり(無料)

●公共交通機関で行く場合は、
旭川駅前発の北海道中央バスの深川行きか芦別行きに乗り、「神居古潭」停留所で下車(料金500円前後で所要時間は約30分)
※バスの本数も少なく、バスで行くのはあまりおすすめしません。

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